March 2023

【本所 旧水路名鑑】水路一覧

投稿日時 2018.02.14 22:00
最終更新 2022.11.21

本所の主な旧水路
水路名別名・旧名備考
六間堀六間堀川
五間堀五間堀川
瓢箪堀
徳川堀
横網町入堀横網御蔵堀
両国川
現在の国技館の北部を流れた。
烏帽子堀横網町入堀の北部。文政年間に囲米として備蓄していた籾を摺り立てた際の籾殻で埋まってしまったとされる(「本所御蔵跡・陸軍被服廠跡」150頁)。
御竹蔵大溝御蔵大溝
大溝
本所御蔵(御竹蔵)を囲んだ水路。
本所七不思議「置いてけ堀」の舞台とも。
北割下水本所北割下水現在の春日通りのうち、本所2丁目の中ほどから大横川の間。
東北割下水を含めて北割下水ともいう。
東北割下水柳島堀現在の春日通りのうち、大横川と横十間川の間。
広義の北割下水に含まれる。
南割下水本所割下水
本所南割下水
現在の北斎通りのうち、清澄通りと大横川の間。
錦糸堀を含めて南割下水ともいう。
錦糸堀(割下水)東中割下水
金糸堀
現在の北斎通りのうち、大横川と横十間川の間。
広義の南割下水に含まれる。
本所七不思議「置いてけ堀」の舞台とも。
錦糸堀(貯木場)割下水の南。
錦糸町貨物駅に接続していた。
斎藤堀東南割下水
菊川堀
現在の新大橋通り。
英堀(仮)大横川から東へ入る入堀。現在のJR線路敷付近。
英橋が架かっていた。
用水堀蔵前橋通りの1本北の道(太平2丁目〜4丁目の途中)。
藤代町入堀片葉堀本所七不思議「片葉の葦」の舞台。
隅田川から回向院方向へ入る入堀。
途中で屈曲し、回向院北側の大下水に接続していた。
石原町入堀梅堀
本所梅堀
埋堀
隅田川から東へ入る入堀。
現在の横網2丁目11番地、12番地付近。
今も不規則な街並みが残っているので、分かりやすい。
楓川紅葉川大横川のすぐ西を南へ流れた。
菊川楓川の南側。
竪川と小名木川の間。
竪川開削前は、楓川と菊川は一本の大きな川だったと思われる。
堺川境川竪川のすぐ南を流れた。
本所と深川の境界。
山名堀(仮)貯木池大横川の入堀。
山名橋・新山名橋が架かっていた。
堺堀大横川の入堀。
堺橋が架かっていた。
太平町入堀(仮)
業平町入堀(仮)
押上町入堀(仮)
新小梅町入堀(仮)
正三堀小三堀
蘆沼(?)
本所表町 最勝寺・本久寺の裏。
鎌洗川本所中之郷竹町にあった。
道三堀本所中之郷竹町にあった。
古川請地古川
古川堀
銅像堀
本所区と向島区の境界。
銅像堀という名は墨堤以西。
曳舟川本所上水
亀有上水
白堀上水
古上水
小梅古上水
西井堀曳舟川の支流で、葛飾区側から南流していた。
墨田区内ではこの名称で呼ばれていなかった可能性がある。

現存水路
水路名別名・旧名備考
隅田川大川
浅草川
宮戸川
荒川
両国川
竪川竪堀大横川以東は埋め立てられた。
大横川横川
横堀
竪川以北は埋め立てられた。
横十間川天神川
十間川
横川
北十間川源森川源森川という名は大横川以西。

【一覧つき】『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ』で楽しむ墨田区の暗橋・暗渠

先日、暗渠マニアックスのお二人の最新著作『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ』が刊行されました。
「暗橋」で楽しむ東京さんぽ

暗橋とは、「暗渠」(≒水路跡)に架かる/架かっていた橋のこと。
都内を中心に様々な暗橋が紹介されていますが、その中には墨田区の暗橋も出てきます!

たとえば、第1部第1章第3節のオオトリ(?)には、松本橋が写真付きで登場(p.45)。
墨田区と江東区の境界にある橋で、関東大震災後に架けられた震災復興橋梁の一つです。そして、内部河川に架かる橋としては墨田区で唯一トラス橋という稀少な存在です。
「余力があればぜひ(中略)訪れてほしい」と書かれているとおり、ぜひ訪れてほしい暗橋です。できれば急いで。
というのも、松本橋は今後撤去する予定になっていて、今見ておかないと手遅れになってしまうからです。
墨田区内には、松本橋以外にも撤去が予定されている暗橋がいくつかあります(悲しい)。
無くなってしまう前にぜひ会いにいってください!

第1部第3章の「23区勝手に暗橋コンテスト」では、曳舟川に架かっていた更正橋(更生橋)の親柱が墨田区のナンバーワン暗橋に選出されています(p.75)。
本書で語られているように、この橋には更橋と更橋という2つの表記が混在しています。
その理由について確かなことは分かっていませんが、横井正男『曳舟川つれづれ草』(横井正男、2020年)60頁には次のような記述があります。
「八広小学校の前身である更正小学校が開校した時に更生橋から現在の『更正橋』に改称されたと伝えられています」。
同書の著者に取材したところ、この言い伝えは地元町内会長の談とのことでした。
実際にこのような経緯で橋名が変更されたのか、裏付ける史料や証言等を集めて確かめてみるのも面白そうです。
DSCN9418曳舟川更正橋/更生橋
[写真a]更正橋(更生橋)の親柱(旧水路ラボ撮影、2019(令和元)年)

第2部第3章第2節では、記号橋の順序の規則性を考察する中で、竪川一之橋六之橋が最初に取り上げられています(pp.142-143)。
どちらから数字を振るのか、その基準は上流/下流なのか、方角なのか、隅田川江戸城が関係しているのか、というように多様な視点で竪川を含む様々な川に架かる記号橋の事例を比較検討しています。
竪川の場合は、江戸時代前期に幕臣の住宅地(武家地)を隅田川を越えた東側に新規造成する際に開削され、それと同時に橋が架けられたとされています。それを前提にすれば、江戸城(中心)に近い方(≒隅田川に近い方)から橋の番号を振るのは自然なような気もします。
それぞれの場所で個別具体的な理由から振られたのか、それとも大きな法則性があるのか、興味深いテーマです。

などなど、本書には注目ポイントが盛りだくさん。
ということで、墨田区の暗橋・暗渠等が載っている箇所を下にまとめました(旧水路ラボ調べ)。
◆p.37 六間堀(地図)

キーワード【深川メタリック暗橋マップ】



◆p.45 六間堀・五間堀(切絵図ハンカチ)

キーワード【深川江戸資料館】



◆p.45 松本橋(写真)

キーワード【竪川】【トラス橋】【震災復興】



◆p.75 更正橋(写真)

キーワード【曳舟川】【躍動感】【八広小学校】【更正小学校】【更生橋】



◆p.75 平川橋・清平橋

キーワード【大横川】【個性的な保存】



◆p.115 吾嬬神社内部に架かる石橋(写真)

キーワード【微妙な位置】【池と池をつなぐ水路】



◆p.122 竪川・北十間川

キーワード【開渠に架かる橋】



◆pp.142-143 竪川(写真)

キーワード【記号橋】【一之橋】【二之橋】【三之橋】【四之橋】【五之橋】【六之橋】



◆pp.157-159 弥勒寺橋(写真)

キーワード【飼われ】【形而上の飼われ暗橋】【血統書】【五間堀】



◆pp.165 エア暗橋(表)

キーワード【「エア暗橋」交差点数】



◆pp.168 更生橋(写真)

キーワード【曳舟川】【標本】

※墨田区と江東区を流れた六間堀・五間堀については、江東区側しか載っていないページも構わずピックアップしています。
当ラボは六間堀・五間堀が好きなので、仕方ありません。


もちろん、墨田区内には他にもたくさんの暗橋があります。
例えば、牛嶋神社の脇にある小さな橋([写真b])のように、現役時代のままの形を保っているものや、南割下水みなみわりげすい(現・北斎通り)にある橋跡タイル([写真c])のように橋の実物はなくなっても、その名を伝えるもの等々。
牛嶋神社脇の小橋
[写真b]牛嶋さんの橋(旧水路ラボ撮影、2021(令和3)年)
※東京スリバチ学会 皆川典久会長による写真評(YouTube)

葉沢橋
[写真c]葉沢橋跡のタイル(旧水路ラボ撮影、2017(平成29)年)

みなさんも、本書を片手に街に出かけて、暗橋探しをしてみませんか。

「暗橋」で楽しむ東京さんぽ

暗渠マニアックスのお二人の前作『水路上観察入門』については↓


暗渠マニアックスのお二人の前々作『暗渠パラダイス!』については↓


投稿日時 2023.03.17 00:00
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