先日、暗渠マニアックスのお二人の最新著作まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』が刊行されました。

前作『暗渠パラダイス!』に引き続き、本書にも、墨田区の水路跡が随所に出ています!

まず、表紙には、大横川ちょん切られた橋跡の写真が2枚も!
平川橋は、前作の帯にも登場していましたので、2作連続2度目の「出演」です。
このモニュメントには、人を惹き付ける何かがある気がします。
水路上観察入門編集

第1部第2章では、竪川暗渠化のミステリーが取り上げられていて、謎解き心をくすぐられます!
なぜ、竪川は途中までしか暗渠にならなかったのか。
分かりそうで分からない、そういう謎に挑む営為はほんとに楽しいですよね。

首都高が通る前の竪川の俯瞰写真(p.57)も最高です。
1964(昭和39)年に読売新聞に掲載された写真と同じタイミングで撮影されたのではないかと思いますが、本書の写真の方が解像度が高くて、細部までよく分かります!
手前から奥まで折り重なるように橋が連なるアングルが素晴らしく、
両岸には荷揚げ用のクレーンらしきものや、材木置き場らしき場所も見えます。
遠くが霞んでいるように見えるのは、当時の東京の大気の状態(スモッグ)を物語っているような気も。

第2部第1章では、『あしたのジョー』の冒頭の一コマが引用されています(p.117)。
川の流れがよどみ、ごみくずが溜まっているシーンです。
作者・ちばてつや氏の自伝等によれば、子ども時代〜青年時代に墨田区で暮らし、六間堀が埋め立てられて間もなく、その真上に建てられた家(現・墨田区千歳)に家族で住んでいたこともあったそうです。
その頃の経験から、『あしたのジョー』で、川やドブ板といった水辺の風景を描いたとのこと。
ですから、このシーンは、氏による墨田区の水路観察の結果生まれたもの、と言えるかも……?

第2部第2章では、再び竪川が登場。
蓋を掛けられた水路(暗渠)の上に、蓋(高速道路)が掛けられている「蓋on蓋」の一つとして、紹介されています。
本書によると、竪川のように、高速道路が通った後に暗渠化されるケースは珍しく、大体は暗渠化と高速道路の建設が同時か、暗渠化の方が早いそう。
竪川は、「蓋on蓋」の中でも特別な存在のようです!

などなど、本書には注目ポイントが盛りだくさん。
ということで、墨田区の水路跡等が載っている箇所を下にまとめました(旧水路ラボ調べ)。
◆表紙 大横川(写真)

キーワード【平川橋】【清平橋】【ちょん切られた橋】



◆pp.55-63 竪川

キーワード【複雑性】【永井荷風】【首都高7号小松川線】【暗渠化の謎】



◆p.81 古川(鷭堀)(写真)

キーワード【舟コレクション】



◆pp.132, 133 隅田川(写真)

キーワード【上空蓋】【吾妻橋】【首都高6号向島線】【区境】



◆p.117 あしたのジョー(漫画)

キーワード【よどみ】



◆pp.132, 134, 137 竪川(写真・表も)

キーワード【蓋on蓋】【首都高7号小松川線】【区境】



◆p.136 隅田川(写真)

キーワード【蔵前橋】【裏側】【覗き見るわくわく感と繊細さ】



◆p.154 曳舟川(写真)

キーワード【更生橋】【親柱】【八広小学校】【暗橋】【剥製】


もちろん、墨田区内には他にもたくさんの「水路上」があります。
みなさんも、本書を片手に街に出かけて、水路上観察をしてみませんか。

水路上観察入門


暗渠マニアックスのお二人の次作『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ』については↓


暗渠マニアックスのお二人の前作『暗渠パラダイス!』については↓


投稿日時 2021.06.22 02:22
最終更新 2021.06.30 22:22